年下の不良くん

Side 爽


──ガチャ

「遅かったね
何してたの??」

社長室に入ると、優雅にコーヒーを片手にくつろいでいる奴が

「おい、仕事をしろ」

「今は休憩中だからいいの~
ねぇ、それより俺の質問の返事は??」

いちいち五月蝿い奴だ

「お前の婚約者が、気を使ってコーヒーを出してくれ、ついでに俺達にと夕飯も作ってくれた」

どうせ俺の戻りが遅くとも、お前は気にしないくせに何をほざくか

サボり野郎の前に紙袋を置き、俺はコートをハンガーに掛けて、パソコンを開けた

「マジで?!
夕飯食べなくて良かった~♪
りりかがコーヒー出してくれるなら、俺が取りに戻れば良かったな~」

「何を抜かすか
お前が取りに帰ると、そのまま戻ってこない魂胆だろう」

「おぉ~、オムライス!!」

無視をするのはコイツにとって、自分に不利な返しがきたときだ

何年お前の自由気ままな性格に、振り回されていると思っている

横目で喜んでいる奴を睨むと、目の前のパソコンに取りかかった

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