年下の不良くん

放課後、私は萩原先生の元に行き、お弁当を受け取りに行った


「お前のお陰で、上手くいきそうだ」

「協力できて、嬉しいですよ
…その、バレませんでしたか??」


一番心配なのが、そこだ

彼は、私の手料理の味をよく知っている

「大丈夫だと思う
その…これが作ったことになっているからな」

と言って、小指をピンと立てる

うん…??

それってもしかして…

「…先生、彼女がいらっしゃるんですか??」

あまりの衝撃的な行動に驚きを隠せないでいるも、先生は慌てて“誤解だ”という

「誤解…??」

「そうだっ…!!
本当は彼女なんかいない!!」

そう断言する先生は小声で、”って俺は生徒相手に何を言っているんだっ”と付け足した

「あの…先生…??」

「ゴホンッ…あー、だが、あんな手の込んだ弁当は、器用だと言い張った先生でも無理だ
だから、その…とっさに俺の彼女が作ったと言ってしまった…」

「はぁ…??
そうなんですか」

「そうだ!!
良からぬ事を自分から言ってしまったんだっ
また変な噂がたってしまう」

その事が相当ショックらしく、先生は大きな溜め息をひとつついた





< 233 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop