年下の不良くん

「え、何このお兄さん
すんごい、無表情
鉄の仮面だね、ねっ??
こんな人、ホントにいるんだね~」


結花は、そんな爽さんに興味津々といったふうだが、つらつらと失礼な言葉を発した事に、さすがの私も冷や汗が出る


「ゆっ、結花…!!
な、何を食べるっ??」


「えっとねー、この海鮮パスター」


上手く話題を変えることが出来て、私は小さく溜め息を吐いた


しばらくして、頼んだパスタが次々に運ばれてきて、私達はそれを頬張り美味しさを噛み締めた


食事が終わり店の前で結花と別れる際に、彼女に手招きをされた


「───…ねぇ、りりか
いつからそんな変な笑顔になっちゃったの…??
ちゃんと腹の底から笑える場所を見つけなよ??」


意味深な言葉を私に投げ掛けて、彼女は私の元を去っていく


小さくなる結花の背中に問いかける


私はそんな変な笑顔だったのだろうか


“いつから”だなんて、自分でも自分が変な笑顔になっていた事に気づいていないかった


結花の言葉はまるで、自分は今の居場所に似合っていないと、婉曲に言われた気がした


そしてそれは、私の出した選択が間違っていたと否定された瞬間だった


他人からも否定されてしまうこの選択は、どう嘆いたって変えることを許されない


結花の言葉は私の心の中で強く深く、響いた


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