年下の不良くん
第四十三章


ふと目が覚め起きた時には、既に次の日の夕暮れであった


熱は昨日よりは下がったみたいだが、まだ頭がふらふらとして少し寒気もする


今回の高熱は、ただの自分の体調管理の無さが原因で、朝晩が冷えるこの時期に、薄着で寝てしまったのがいけなかった


昨日の朝から、頭痛と目眩がしていたのだが、春樹に迷惑はかけられないし、と思って何も言わずに学校に行った


予想通りに優美や結花など、周囲の人達に心配されたのだが…


まさか、倒れてしまうとは…


あの時、薄れゆく記憶の中で懐かしい香りが私を包んだのだが、いったい誰なのかがまだ使えない頭では考え付かない


「…ふぅ、駄目だな……」


起こしていた上半身をまた寝かせて、まだ激痛がする頭を休めていると、寝室の扉がノックされた


「あ、目が覚めたんだね
どう、やっぱりまだしんどい??」


お盆を抱えた春樹が私の前にそれを置くと、私の額に手を当てて体温をみる


「うーん…まだ熱があるみたいだね」


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