年下の不良くん
第五十章


────…………



夕飯は“ロールキャベツ!!"、と授業中に彼からのメールがあったので、二人で買い物に行く約束をした



放課後になると私のクラスまで武蔵くんと迎えに来てくれて、周囲の女子がざわざわとざわめく


寄りを戻してから何故か酷くなっているこの反応に、私は少しの嫉妬心が芽生えてしまう


「マジ疲れた…」


「お疲れ様
頑張ったね」


それを笑って誤魔化して、彼のふわふわの髪の毛を撫でると、翔くんはその手を取って自分の手に絡めた


どきっとする行動に自然と頬が真っ赤に染まった私を見た翔くんは、余裕たっぷりに口の端を上げる


「…なんだか、私ばっかりテンパってやだ…」


「ははっ、なんだそれ」



幼稚園児みたいに口を尖らして明らか拗ねた風が出てしまうのは、彼がまた楽しそうに笑うもんだから仕方が無い


「──おーい、そこのお二人さん
寄りを戻してラブラブなのは良いけど、俺らの事忘れてません〜??」


二人の世界に突入していた私達を、武蔵くんが現実に引き戻すと、すぐに優美と武蔵くんのニヤニヤとした顔を発見する


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