幸せになりたい

「じゃあ…はなそっか」

ぽつりぽつりと話が始まる…


「俺はここに来る前に京都にいたのは知ってるだろ。

　そこで俺は…女と一緒に住んでいたんだ。

　まあ…住んでいたのは二年くらい前までだけどな…

　その女は俺が大学の時から付き合っていた女で…

　結婚をしてもいいと思うくらいいい女だった。

　お互いそれなりに意識していたんだけどな。


　俺がどんなに遅く仕事から帰ってきてもいつも飯を作って待っていた

　だが、ある日…

　俺が帰ると誰もいなかった。

　そして、テーブルにはその日の夕食と手紙が置かれていた」



『その手紙になんて書いてあったの？』


「知りたい？簡単なことだよ。
　あなたは仕事と結婚したほうがいい。

　私はちゃんと私を見てくれる男と結婚をするから…

　だってさ。

　そうなって見れば、数か月前からちょくちょく夜で歩いたりしていたみたいなんだ…ただ、俺がいつも帰るのが遅いから知らなかっただけ…」


『なんだ…捨てられたんだ。あんたがねぇ・・・』