Buring&Love
「ありがとう。」
一言お礼を言えば、
顔を明るくしてあたしを見る。
『どういたしまして。』
――――――…
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『また、優姫をとられた。あのエロガキめ。』
一人仕事を終えて、ビルの最上階で呟く社長。
いつだってそう。
君は僕がどんなに目を凝らしていても、
あっという間に変な男についていく。
だから、心配なのに。
『クソっ。』
とか言っても、
実際は彼女をしっかり見守れない自分に苛立つ。
しかたない・・・。
『GPSにさせるか、命令で・・・。』
そう囁く社長の声をまだ彼女は知らない。