お姫様は最強です
結奈と美緒達の出会い

~美緒side~




 まったく瞬は~

 こっちの気も知らないくせに。

 私だって女なんだから好きなやつには心配してほしいに決まってるじゃん。

「で、どこ行ってたの?」

 怒っている私をよそに結奈が竜也くんに質問した。

 私たちのことは無視?

 まぁいっか、私も気になるし。

「ん?あ~ちょっと……うん」

 ん?

「どうしたの?なにしてたの?ねえねえねえ~お~いお~い私たち置いてどこ行ってたんですか~?」

 ちょっと結奈…キャラ変わってるって…

 追求してくる結奈に観念したのか、しぶしぶ竜也君が口を開いた。

「笑うなよ?」

「うん」

「……財布おとして探してた…」

「「えっ?」」

 嘘…瞬じゃなくて竜也君が落としたの?

 ほんとに?なにそれ…

「「ふ…ふふ……ふははは!!」」 

 これは笑えるわ、なにその予想外な出来事!

 超笑えるじゃん!

「おい!笑うなっていったじゃねぇか!////」

「だって…だって…竜也が落とすなんて…あはははは!」

 結奈、爆笑してるし。

 私も笑ってるけどね~。

「だって竜也君が落とすなんて…瞬ならまだわかるけど、竜也君が…あ~お腹痛いわ」

「しょうがねぇだろ。普通の財布なら別にいいけど、その財布には結奈からの……」
 
 ん?結奈からの?

「私からのなによ」

「あっ…いや…なんでもねぇよ!」

「なによ~気になるじゃない」

「だからなんでもねぇって!」

「教えなさいよー!」

「教えねぇよ!」

「なんでよ!」

「だーー!しつこいっての!!」

「言うまではしつこくいうんだから!」

「絶対言わねぇ!」

「言いなさーーーーい!!」

 え~っと、そこでさりげなくイチャイチャしないでくださ~い。

「ねぇ瞬、あんた知ってるんでしょ?なんなの?」

 竜也君と結奈に聞こえないように瞬に聞いてみた。

「あ~。なんかな、財布に結奈ちゃんから貰ったキーホルダーつけてんだと。中学の卒業式の時に貰ったらしい。」

 あ~そういうこと。

「それは言えないわ~」

 うん、よく見ると竜也君の顔赤いしね。

 しょうがない、助けてあげようかな。

「結奈、竜也君にもなにか事情があるのよ。勘弁してあげな?」

「む~絶対なにか隠してるもん!」

「はいはい、可愛い顔が台無しよ~…あんまり言い過ぎると嫌われちゃうよ?(ボソッ)」

「ごめん、もう言わないから」

 うん、喧嘩を止めるにはこれが最適ね。




< 308 / 335 >

この作品をシェア

pagetop