光の射す方へ



「洗い場にいるのって新しい人?」



圭太は、歩太の事を見ながら、私に聞いてきた。



「うん。宝来くんって言うの。」



私が答えると、圭太は、歩太に近づいた。



「初めまして。バイトの野上圭太(ノガミケイタ)です。」



歩太は、圭太の事を見ない。



そんな歩太の顔を、圭太は不思議そうに覗き込んでいる。



でも、歩太は気にする事なく、お皿を洗っている。



「何アイツ?態度悪くない?」



圭太は、明らかに怒っている様子で、私の方へと戻ってきた。



「きっと人見知りしてるんだよ!」



私は笑って、圭太にそう言った。




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