光の射す方へ
不安と孤独




歩太の元を離れてから、2週間。


私は、寮のある、小さな工場に、身を寄せた。



周りは、中年を超えた、おじさんばかりで、私の様な若い女の子はいない・・・



みんな、それぞれ『訳あり』なのかもしれない・・・



私の事を、聞いてくる人は、1人もいない・・・





おじさん達と同じダボダボの作業服を着て、朝から晩まで、同じ作業を繰り返す・・・。





妊娠している事は言っていない・・・



でも、いずれ分かってしまうだろう・・・。


それまでは、今の生活を続ける・・・




働けなくなれば、何とか貯金でやっていこう。



両親が残してくれたお金を、使う時がくるかもしれない・・・




それでも、この命だけは、守らなければならない・・・



何に変えても、何としてでも、



この子だけは、私が守る。




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