光の射す方へ
「明日は、もうクリスマスイヴですねぇ
リカさん、好きな人いないんですか?」
郁美の言葉を聞いて、歩太の事を思い出す。
「あの・・・、リカさん、もしかして、お腹に赤ちゃんいるんですか?」
私は、ハッとして、郁美の顔を見た。
「・・・なんで?」
なるべく動揺している事を気づかれない様、出来る限りで、冷静を装った。
「私がここへ来てすぐの頃、リカさん、よく吐いてたし・・・
最近は、いつも、お腹を気にして、触ってるから・・・」
自分のちょっとした仕草。
自分でも気づいていなかった・・・
私は、郁美に、自分の事を話した。
毎日募っていく、不安な気持ちを、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない・・・
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