友の姿、午後6時【短編】

それからいつの間に申し込みしていたのかは知らないが、本当に俺と同じ塾に通い始めた宮野。


サボらずに順調に塾に通っていたが、ある日、宮野は待ち合わせ場所に来なかった。


塾までまだ少し時間はあったけど遅刻したら先生ではなく親に怒られて面倒なので、俺は溜息を吐きながら捜索をした。


居場所は何となく判っていた、俺自身は一人では余り行かないがきっとあそこに居るだろう。


そう思い、あるファーストフード店に入ると、やはり其処には宮野が居た。


溜息を吐いて声を掛けようと視線を送ったら、宮野の前には一人の女の店員。


始めは誰を好きなのか判らなかったし興味無かったからその日までは見た事も無かったが、宮野が口説いてるのを目撃して一瞬にして理解した。


だがその好きな人を見た時の感想は良くも悪くも"普通の人"。


特段綺麗な顔立ちもしてないし、スタイルが抜群というわけでもない。


確かに身体は細いし色は白いけど、それ以外は至って普通。


顔もよく見れば整ってはいるけど、眼を引く程のものではないと思った。
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