天の神様の言う通り、ここは素晴らしい学園ですっ




桜の花が散る。薄青の空に、白桃色の桜。床に敷かれたブルーシート。その上に豪華な料理が並んでいる。吹く風は未だ肌寒いが、日溜まりは暖かい。

生徒達はここぞとばかりに遊んでいる。流石、天神学園といったところか。あちらこちらで乱痴気騒ぎだ。

そんな中、端っこに座る愛は紙皿の上のパンケーキを頬張っていた。口の中でとろける美味しさだ。そうして、何気なしに顔をあげれば、教師陣が円となって談笑しているのが見えた。お猪口を片手に龍猫先生は立ち上がり、スリットの入った中華服から色めかしい太股を惜しげもなく曝け出している。しまじろう先生が嫉妬するのではないだろうか。箱先生は相変わらずのフィバーっぷり。

けれど、愛はただ一人を見つめる。アルベルトは愛に背中を向けて、教師陣と笑いあっていた。

短髪の為にいつも見えている項は、とてもすてきだ。顔を前に傾けると、骨に沿って肌が張り、僅かな窪みができる。アルベルト自身は頑丈な体つきだが、首は細い方だ。整えられていない、少し気の抜けた襟髪。そこからすらりと伸びる首筋。けれど、しっかりとした男らしさも漂っていて。

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