私の隣
「わかった。
 じゃあ今から寝るから手握っててな?」


「大丈夫よ。
 おやすみ譲。」


憂ちゃんは優ちゃんにしているみたいに俺の頭を撫でる。


かなり恥ずかしかったけど…


誰も見てないし。


それに……


なによりすごく心地がよかったから。


俺はそのまま眠りについた。


そこで見たものはやっぱり暗闇だった。


でも一つだけ違った。


それは遠くに見える一筋の光。


光はどんどん大きくなっていって暗闇を打ち消した。


そして光の中のどこからか憂ちゃんの『大丈夫』という声が聞こえた。


その日から俺は眠るのが怖いと思うことはなくなった。


憂ちゃんにまだいて欲しいと思ったときは口実としていうけどね…
< 141 / 330 >

この作品をシェア

pagetop