私の隣
「そういうお前はどうなんだよ。」


「俺はばっちり!
 指輪に名前も彫ってもらったしな。」


……指輪


……名前を彫る


ズキン!



「っ!!」


昌の言葉を頭の中でリピートしたとたんに頭に激痛が走った。


それと同時に雑誌…いや指輪がいくつも載っている紙が頭の中に映しだされた。


そしてその紙に載っている沢山の指輪の中の1つに赤いペンで丸が付けられていた。



「譲どうかしたか?」


「わりぃけど頼みあんだわ。」


「貸し1な。」


…鬼。


いつもならこの一言で俺は昌に頼むのをやめる。


が今日はそうはいかない。



「俺の部屋のどっかに指輪が沢山載ってる紙みたいなのがあるはずなんだ!
 それを探して持ってきてくれないか?」


このときの俺はすげぇ必死だったらしい。


いつもは文句を言う昌が『分かった』とだけ言って病室をでていった。



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