私の隣
「譲っ!
 何か言ってよ!!
 ねぇ譲!!」


何も言葉を発することのない俺に憂は悲鳴にも似たような声をあげた。


違うよ憂。


何も言わないんじゃなくて言えないんだ。


俺気付いちゃったよ。


多分憂は俺と居ても幸せになれない。


憂にはもっと相応しい男がいるはずだ。



「憂…
 俺と居て幸せ?」


やっと出た言葉は憂にとっては欲しくないものだったらしく『パンッ』という乾いた音がしたと同時に右の頬に痛みが走った。


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