私の隣
「千和さん。
 俺の“幸せ"は憂の隣にいることだから。
 俺はもう覚悟できてるよ?
 10年でも20年でも待つ覚悟。」


俺の答えに千和さんは何か言いたそうだった。


でも俺は何を言われてもこれだけは譲れない。



「いつかは俺が社長でしょ?」


にんまり笑って言うと千和さんは『まいった』というように笑った。



「譲に社長は無理だね。」


そう言って俺の頭をポンポンと撫でた。


そして『憂がいなきゃ無理だよ…』そう穏やかな笑顔で付け加えた。

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