『若恋』若恋編
『……アナタ……もしかしてベイビーが?』
突然、体を折ったりおに戸惑い、もうひとりの女も立ち上がり近づいた。
りおの背中を擦るふたり。
ぴく。
『……そう、ベイビーがお腹にいるのね』
僅かに頷いてりおが顔を上げた。
『わたし、祖国にカエッテ子どもに会いたいわ』
『わたしもヨ。わたしのカエリヲ待ってるの』
りおの背を擦るふたりの殺気が一瞬にして消えた。
『……わたし、桐花さんにも桃花さんにも不幸になってほしくないの』
呼吸が穏やかになりハンカチから口元が離れ、静かにりおが顔を上げた。