【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐


……ともあれ。


車は駅前から離れ、△△市へと走り出す。




「そういえばねー、昨日元カレの親が家に来たんだ」

「え?」


「慰謝料? 口止め料?
よくわかんないけど、そういうのごっそり置いてった。
まぁ家具一掃はかなり痛い出費だから、ありがたく受け取っといたけどね」


ほら、と差し出された封筒。
その中には、確かにお金が大量に入ってる。


「全部終わったら、二人で美味しいもの食べよーね!」

「…ん」


いつもと変わらない顔で笑うマコ。
それを横から見つめながら、小さく小さく頷いた。




……。




△△市に着き、まずは不要になった家具をリサイクルショップへと持っていく。

それから二人で色々なお店を見て必要な物を揃え、お店とアパートを何度も行き来する。




「なんか、新婚さんみたいだねー」

「…そう?」

「うんうん、私の部屋だけどさぁ、朔也も意見出して一緒に選んでるでしょ?
だから一緒に住むみたい」


あぁ…そう言われると、確かに俺が選んで決めた物もある。




「新婚さんと言うか俺、結構お節介だったかも」

「あははっ、私一人で決めると大抵ハズレ引いちゃうから、お節介大歓迎!!」


ニコニコ顔でVサインを繰り出すマコ。

そんな無邪気な顔を見ると、「あぁ可愛いな」と思うし、
「コイツと暮らしたら楽しそうだな」と感じる。


こうやって一緒に歩いて一緒に買い物をして、一緒の部屋に帰る。

マコとそんな風に出来たらきっと凄く楽しいし、それに…、きっと凄く幸せだと思う。

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