好きにならないで。
*.負けないから。
教室まであと少しの所で、遥翔はあたしの腕を離した
「なぁ、俺らが付き合ってんの、あいつらには内緒でいいか?」
「う、うん」
少し、胸がチクンって痛んだ
原因がなんなのか分かんないから気のせいかなって思った
「じゃ、俺から入るから」
「うん」
遥翔はそう言って教室のドアを、ガラッと音をたてて開けた
開けた後、あたしを見て“入れ”と口パクで言った
あたしは躊躇いながらも、おずおずと足を進めた