†魔界戦記†
そう言うと黒衣の男は
双振の刀を俺に
投げてよこした。
自分の身は自分で守れ
というコトだろう。


「あっぶねー
抜き身の刀を
投げるやつがあるか!?
つかなんで二本??」


不平を言いながらも
心配してくれたのが
内心ちょっと嬉しかった。


「まぁ精々死なないように
自分でなんとか
するんだな」


ったく・・・
傍若無人なヤツだな。

俺は背中を向け
歩き出す前に小さく

「ありがと」と呟いた。
聞こえたかどうかは
分からない。
ただ男の口は
笑ってるように
俺には見えた・・・。

どうやら、先に進むしか
生きる道はなさそうだ。
言い切れない不安を
残しながら
俺はその場を後にした。
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