SD殺人事件
真相探し
「なあ、隅ちゃん。犯人誰やと思う?」
休憩所のテーブルに放置された磯俣のタバコの残りに毒物検知機を押し付けてると、不意に太ちゃんからそう問いかけられた。
「××でしょ?」
ゴミ箱をあさりながら高くんが割り込んできた。
「たぶん、そやろ。不自然過ぎるやんあの人。」
俺が返すと、
「やっぱり。てか、高何してんの?」
そう言って高くんの真横に座り込み太ちゃんもゴミ箱をあさりはじめた。
「信がくれよったアメのゴミ探してんねん。今日、俺ゴミ捨てやってないしまだあるやろ?」
「ちゃんとゴミ捨てせーや!あ、これちゃうん?」
そんなやりとりが俺の背後で繰り広げられてた。
「隅ちゃんそれ貸して。」
今、”俺が磯俣の吸った毒つきタバコに押し付けてピーピー鳴ってる毒物検知機”を指さして太ちゃんが言った。
「うん、ちょっと待って。」
と、言おうとした瞬間高くんが俺の手から無言で横取りしようとしてきた。
「ちょっと待てや。」
そう思いながら、ボタンを押したままの毒物検知機ごと高くんの手を払った。
その時、何かに触れて一瞬だけ毒物検知機が反応した。
「あれ、今、コイツ何に反応したん?」
太ちゃんが言うと、
「これやで。」
高くんが磯俣のタバコの箱を指さした。
「なんでやろ?」
そう言って再度タバコの箱に毒物検知機を押し付けるが反応なし。
「あれ?」
言おうとしたら高くんが俺の手を揺れ動かした。
すると、ピー。
箱のふたのあたりをアンテナが通過した時にまたしても反応があった。
何度か調べた結果、どうやら箱のふたの数ヶ所に毒が付着しているみたいだった。

「なんでこんな所にも毒がついてんの?」
太ちゃんが不思議そうな顔でタバコの箱を手に取ってながめてると、

ピーピー

背後で高くんが信くんがくれたアメの包み紙に毒物検知機を押し付けてた。
そして、大きく一度うなずいてから、
「太ちゃん。あんまりそれ触らん方がいいで。」
そう言って俺の方に歩いてくる高くん。
「なんで?」
少し驚いた表情で聞く太ちゃん。
「手に毒つくで。」
なぜか俺に毒物検知機を手渡しながら言う高くん。
おかげである事を閃いた。
< 15 / 26 >

この作品をシェア

pagetop