SD殺人事件
この事件の本当の真相はヤラセで磯俣も支配人も仮死状態になる薬で死んだフリをした上で、俺らが解き明かしたトリックを使って事件を起こした。
だから警察も呼ばないし、救急車も呼ばない。
はやい話がドッキリである。
その話を聞いて、呆れると言うより安堵感がみんなに溢れ空気が緩やかになった。
「ふざけんな!」
笑いながら太ちゃんが言うと、
「磯俣ぁ!ちゃんと死んどけやー!」
地ー坊が磯俣の頭を叩いて言い、
「地ーちゃんおかしいおかしい!ちゃんと死ぬって何?」
生駒さんが手を叩いて笑った。
「これがほんまの一件落着や。」
ひとさし指を上下に振るいつものポーズで金谷が言うと、
「しょうもな。帰ろ。」
高くんがダルそうに言った。
「みんな、悪いんやけどまだ話があるんや。」
店長が言うと、一瞬にしてみんなは口を閉じた。
そして休憩所内は静まりかえった。

これが権力ってやつみたいだ。

「実は、本社の方に奇妙な予告状が届いてな。せやから、こんなドッキリをして使えそうな子おらんか探してるんや。」
「予告状?どんなんですか?」
地ー坊が言うと、
「日時やらの指定はしてないんやけど、面白い事件を起こしたるし解いてみろって感じのやつやわ。どうや協力してくれへんか?」
誰も何も言わなかった。

いや、警察に言えよー!!

と、みんなが思ったと思うが誰一人その言葉を口に出す人はいなかった。
言う事すら無駄やってみんな理解していたみたいだ。

な~んや、この店。
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