☆†赤い瞳にご用心†☆




「凛々ちゃん、いいなぁ。イケメンお兄ちゃんがいて」




お兄ちゃん達が別の話で盛り上がっているなか、璃鶴はそんなことを口にした。




「そうかなぁー?」

「そうだよ。優しいし、いいなぁ」

「でも、何か女子のジェラシーとか怖いよ?」

「なにそれ、凛々ちゃん面白ーい」




笑われてしまった……
本当のことなんだけどなぁ。




みんな、口を揃えていいなっていうけど、いいと思ったことなんて一度もない。
確かに優しいのはいいけど…別にかっこ良くなくていいって、私は思うんだぁ。




だって、比べられるから……




お母さんもお父さんも美人だしかっこよくて、お兄ちゃん達もかっこいい…でも、私だけ平凡。
本当にお母さんとお父さんとの間にできた子供なのかすら疑ってしまうほどに平凡だった。




だから、いつもいつもこんな自分恥ずかしいって…嫌いだって思ってた。
というか、今もなんだけど……




「凛々ちゃん、自分のことが嫌いなの?」

「えっ…………?」

「そういう目をしてるから」




そう言った、璃鶴の声はいつもより低く聞こえた。




それに…




「目が光ってる……?」




普段から綺麗な赤だとおもっていた目が光っているように見えた。




「だって、僕はヴァンパイアだから」




そう言って目を閉じて次の瞬間にはもう、目はいつも通りの赤に戻っていた。




この、すこしのやり取りの間に…
なんだか、異世界に飛ばされてしまったような感覚に陥った。




璃鶴っていったい…何者なんだろう?



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