声が聞きたい
声が聞きたい
町はずれ

何時建てられたのか木造の私設図書館

歩くたびにギシギシと音がする。


「やあ、いらっしゃい。」

椅子に座り、古書をめくる手を止めて、

あなたが声を掛ける。

忘れられたように佇んで建つこの図書館に

暇さえあれば通う私。

「お勧めはありますか?」

「新しい写真集が入りましたよ。

 なかなか素敵な写真集です。

 ご覧になりますか?」

体中で響を感じて

鳥肌が立つ。

「いかがですか?」

「ああ、ハイでは閲覧室をお借りします。」

「どうぞ。」

手渡された写真集を持って

閲覧室へ

音に余韻を抱えたまま。
< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop