うさぎ と くま の物語 (完)
 

――――…


ドッターン!


ドシーーン!!


「や、ヤバい…カッコいいよぉぉぉ」


ぎゅうぅぅぅ、と私は手に持っていたタオルを握り締める。


私は自分の仕事も忘れて、彼の姿に夢中だ。


「………あれは、恐ろしい、って言うの」


横から聞こえてきた呆れたような声に、私は振り向いた。


「あっ梨乃センパイ!こんにちは~!いやっ、だって!あんなにどんどん投げ飛ばしていくなんて…!」


カッコいいとしか言えないじゃないですかっ!

 ・・・
「うさぎ?やっぱ、あんた、おもしろいわっ」


あはは!と豪快に笑うこの美人さんは、梨乃センパイ。(さっきのマンガで言うところの、美しいお姫さまだ!)


そして、『うさぎ』と呼ばれるのは、この私。(もちろん、さっきのマンガで言うところの、うさぎ…苦笑)


『みさき』っていう名前で背が小さくて2つ結びにしてるからって、ここでは『うさぎ』と呼ばれるようになってしまった。


………安易すぎるって。

 
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