うさぎ と くま の物語 (完)
うじうじしてる自分が嫌い。
私は自分の頬を両手でパンっと叩く。
しっかりしろ、私!
……直接は何もできないけど、気持ちだけでも強く持たなきゃ。
「うさぎっちが緊張してどうすんの。大丈夫だよ。あの5人なら、勝てる」
横に座る2年生のセンパイが声をかけてくれる。
「―――はい」
そうだよ。
きっと、大丈夫。
それに。
篠田センパイは大将だから、5番目に試合。
それまでに3勝して勝負が決まっていれば。
無理はしなくていいはず。
……もちろん、篠田センパイにも勝って欲しいってのは変わらないけど。
私は祈る気持ちで、両手を合わせた。
無事に、試合が終わりますように。
優勝できますように…!
――――決勝戦が始まる。