うさぎ と くま の物語 (完)
「始めっ!」
審判の合図で試合が始まる。
ドン!という音を立てて、一気にぶつかり合う。
相手は、篠田センパイと張るくらいの巨体だ。
さすが、大将戦。
これで勝負が決まるとあって、お互いに譲らない。
すごい迫力だ。
しばらくお互いの出方を読みながら、揉み合う。
突然、お互いに身体が傾いた。
「―――あっ」
ドタンっ!
倒れ込む二人。
床についたのは、同時に見えた。
息を飲む、会場内。
全員が、その勝負の様子を見守る。