うさぎ と くま の物語 (完)
「始め!」
審判の合図で、再び試合が始まった。
相手が一気に篠田センパイに攻めた。
「――――っ!」
篠田センパイが顔を歪めた。
「――――あっ!」
辛そうな表情。
やだ、もう…!
「―――篠田センパイ…っ!」
思わず叫んでしまっていた。
……いつも心の中でしか呼ばない呼び方で。
「うさぎっち!落ち着けって」
私を宥める、一緒に応援してるセンパイたち。
「――――あ、ごめんなさ…」
その時だった。
わっ、と歓声が上がった。
「!?」