うさぎ と くま の物語 (完)
「あ、あの…篠田センパ…」
「――――ちょっとだけ、時間ちょうだい。………ちゃんと、伝えるから」
「は、はい…?」
とりあえず、頷いたものの、どうしたらいいのかわからない。
伝えるって…何を?
モヤモヤと考えるけど答えは見つからなくて、篠田センパイの頭の上を見るしかなかった。
……あ、寝癖?
短い髪の毛が、ぴょこっと跳ねてる。
ぷ、かわいい。
つい、手が伸びそうになるのを、グッと我慢する。
危なっ。