お婿さんのいない花嫁さん
私はようやく理解できた。

お母さんは車にはねられそうだった私をかばって自分の命と引き換えにしたこと。


私は、ずっと泣いた。これでもかってほど泣いた。

その間、カズマ君はずっと背中をさすってくれた。


「・カ・ズマくん・・・」

「ユイは一人じゃないよ。俺がまもってあげるから。ずっと一緒にいてあげるから。」

私達は夕日がきえるころ、指きりゲンマンした。


あの約束はお互い忘れた事がない。

笹井ユイ  10歳

高井カズマ 13歳


夕日が消えるころに約束した、3歳の壁の約束。


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