神様に私の全部を奪われた。【番外編】




「そんなことは、ない…」



「へぇ…まぁ、独占欲はらしくなく強いみたいだが」


「……?」

「花嫁、お前の匂いしかしない…」


「………!」

「あまり、無理をさせるな。支配力がつよいなど、我は知らなかった」



馬鹿にしてるつもりはないのだろうが、なにか気に入らない紫音はクルッと扇李に背中をむけそのまま無表情で資料を見る



「なんだ…図星か」

「…………」


紫音に近づき、仕事机に座り紫音の資料を奪うと紫音はため息をはく



「はぁっ、扇李…」


「なぁ、紫音」


「………」


「喧嘩は早く言葉にしなければ、苦しくなるだけだ」


「…………」

「花嫁に、あんな顔をさせるでない。悲しみであふれていた」


「…………」


「我も…アイツを沢山泣かせた。だから、分かる。お前の花嫁は…怖いんだ。それを理解しろ」


「……扇李」


バサッと資料をまるめ扇李は紫音の頭を軽くたたき、そのまま腕を組ながら机から降りる



「話はそれだけだ。我は帰る。沙優を慣れない所で疲れさすわけにはいかない」



「……………あぁ」



そう言い、扇李は静かに部屋をでていった――…





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