冬の花
冷たい水がワンピースに染みていく
「雪野さん!?」
「あれ?変なの。」
拭っても拭っても零れて止まらない
私は苦笑しながら何度も拭う
ぽんっ
桜木くんの手が私の頭にのっかって
「よしよし。」
そうふんわり撫でる
私の涙は不思議なくらいに
すぅっと止まっていく。
桜木くんは笑ってまた外を眺めはじめた
ズキンッ
さっきとは違う甘い痛みが
私の胸を苦しくさせる
真っ赤になった顔を隠すように
少しだけ俯いてみた