冬の花

~優side~


「送っていくよ。」

「え、でも。」


少し怯えたように返す彼女は
鞄を胸にぎゅっと抱える


「俺は送りたい、駄目かな。」

「い、いえ。」


俺達は坂を下りはじめた


俺の後ろをちょこちょこついてくる
小柄な女の子


雪野冬花さん


腰まである長い黒髪と
桜の花弁が風に吹かれる


きれいだなぁ


ふいにそんなことを思う


歩くスピードが違うため
小走りになる雪野さん

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