冬の花
私が目で訴えるけどまったく動かない二人
「あ、あの桜木くん?」
「ん?何?」
いつもと変わらない優しい声に
思わずビクッと体が反応する
どうしよう
もし、桜木くんがこのままここに残って
あの人が訪ねてきたら
ピンポーンッ
ドクンッ
熱とは別にだらだらと汗が流れる
きっとあの人だ
怖くなって布団に潜り込む
「雪野さん?」
私の行動を不思議に思っているのか
桜木くんの声が不安気に変わっていく
嫌だっ