いちごみるくちょこ
「わたしも…そう思う。」

きっと…

大きく深呼吸したら息が白かった。
もう…冬なんだ。
なんて今更自覚する。


「25、ちゃんと開けてんのかよ。」


「あ、うん。
クリスマスだよね?
開けてるよ。
斉藤龍、25日暇人どうし楽しもうね。」

少しだけ嫌みをいれていってみた。


するとなんか苦い顔。


「お前さぁ…
人のこと笑顔で傷つけるよな。」


「ええ!
わたしなんかした!?」


「鈍感。」


そういってわたしが立ち止まってる中さきさき歩いていった。


ーダメだ。
期待しちゃだめ。
きっと今の言葉に深い意味はないんだきっと。


いつもあんなんだし…
斉藤龍といるのは楽だ。

だからこのままがいい。

『無理やり恋人をやらされてる』立場がいい。


わたしって卑怯者だ。

こんなんじゃわたしが斉藤龍を好きみたい。

考えるのを止めよう。


斉藤龍の背中を早歩きで追いかけた。
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