HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「でもちょっと違うな」

 ……………ん?



「気になるんだ、高橋さんのこと」



 ……………今、なんて言った?

 私は思わず顔を上げた。その勢いで涙がぽろぽろと頬を伝った。

「うわぁ、俺が泣かせちゃったんだよね……ごめん」

 清水くんはティッシュペーパーをくれた。

「からかったわけじゃなくて……あーでも今更何言っても遅いか」

 涙は止まったが、鼻水になって出てきたので慌ててもらったティッシュペーパーで鼻を押さえる。

「高橋さんをついからかいたくなったのは確かです。ごめんなさい」

 ふん、やっぱりそうなんだ。

「でも、高橋さんって他の人と違うから楽しい……っていうか、嬉しかったんだよね」

 ……………は? 嬉しいとはどういう意味……?

 私の表情で彼は私の疑問を理解したようだった。

「思ったことがストレートに言動に現れるでしょ?」

 ……うっ! なぜか席替えしてからそういうことになってるけど、普段の私は違う! ……はず……。

「なんていうか……他のヤツらはワンクッションあるんだよね、俺に対して」

「それは清水くんが学年一番でカッコいいからじゃ?」

「俺は、そんないいもんじゃないよ」

 初めて見るシニカルな笑い顔だった。心の奥がきゅーっと痛くなる。なんだろう……。

「さて、駅に着いたけどどうする?」

 気がつけばもう駅に着いていた。時計を見ると次の電車までまだ1時間半以上ある。お腹空いてきたなぁ……。



 グウゥゥゥゥゥ……………



 思わず私はお腹を押さえた。清水くんがちらっとこっちを見る。

「……行くよね? 定食屋」

 私の顔は真っ赤になっていると思う。俯いて小さく頷いた。
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