HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
 私は英理子さんの好意に、先ほどの自分の態度を少し反省する。

「英理子さん、ありがとう」

 小さな声で言った。英理子さんの顔にパーっと笑顔が戻る。本当にかわいい人だ。女の私でもドキドキしそうだ。



 その後少し遠藤さんの大学の話を聞いた。そうこうしていると私の電車の時間になったので二人に見送られて改札を通る。

 ――英理子さんと清水くんはイトコだったのか……。

 勝手に二人が付き合っていると早とちりした自分が滑稽で、誰もいないところでこっそり苦笑した。

 そして何故だか私はほっとしている自分に気が付く。

 ――ん?

 でも、また疑問が湧いてきた。



 ――じゃあ、清水くんの「気になる人」って?



 英理子さんじゃないということは、他にいるということだ。また私の中にもやもやした変な気持ちが渦巻いてくる。

 何故そんなことを気にするのだろう? 自分でもよくわからない。これじゃあまるで私が清水くんのことを気にしているみたいだ。



 ――え?



 自分で自分の思考にびっくりする。

 つまり私は……その、なんだ? 清水くんのことを気にしているわけ?
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