HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
 清水くんは私と目が合うと少しだけ表情を緩めた。そして……



「高橋さんのことが好きなんだ」



 と言って、にっこりと笑った。

 頭の中が真っ白になった。……今、彼は何て言った?

「……ウソ?」

「あーもう! やっぱり信じてない」

 清水くんがぐったりと首を後ろに倒して椅子にのけぞった。



 ――だって、そんなこと、あまりにも突然で、しかもありえない話だし!!



 私はドキドキを通り越えてポカンとしていた。

 そんな私を見て清水くんは気を取り直したのか、ニヤリと笑った。

「まぁいいや。これからゆっくりじっくり俺のこと知ってもらうから」



 ――ひょえーーー!!!



 どういうことだ!? もう私にはわけがわからない。とりあえず考えるのはやめた。

「あ、そうだ。これから高橋さんのことは舞って呼ぶから」

「え?」

 いきなり呼び捨てですか!?

「でもさ、舞っていい名前だよね。俺、大好き」

「は?」

 彼の考えは私の理解の範疇を逸脱している。思わず「この人、大丈夫だろうか?」という目で見てしまった。

 だが、彼の次の一言で、今度こそ完全に私の全思考が停止することになった。
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