劣情
 
黒のサテン地のシーツが素肌に纏わりつく。


それを握り締め、与えられる快楽に身を任せる。


「あぁ…」


漏れ出す声が自分では制御出来なくなり。


昼間は絶対に向けられる事のない冷たい瞳が、乱れる私を見つめている。


それだけでゾクゾクする快感が背中を駆け上がり、さらに声が零れ落ちる。


誰にも知られていない冷酷な上司との密事は、夜ごと私を女に仕立て上げていく。


教えられる数々の快楽は、浅ましく卑しく男を求める劣情と化し、逃れられない深みに嵌る。
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