【完】イケメンカフェ -幸せな一瞬(とき)をあなたに-
Expresso


あの停電以来、碧へのイメージががらっと変わった。
ほんとは優しいんだなって想いと、あのドキドキが忘れられないのと。
とにかく、表面上は特に変わりないけど、目がよく合うようになった。
ほんの少しだけ、距離が縮まった気がする。



それから数週間は平凡に過ぎていった。
しかし、事件は突然に怒った。


「お待たせ致しました。こちらエスプレッソとショートケーキでございます」


あるテーブルへ、ケーキと飲み物を運んでいった。
そして立ち去ろうと思ったところ、声をかけられた。


「雪兎くーん‼メアド教えてよー」


「申し訳ございません。プライベートについては、お答え出来ないんです」


そう、正直女の子のアドレスを聞いてもたいして嬉しくないし、休みの日までこんなことやりたくないし。
とにかく、面倒事を避けるためにもお断りしている。


「なによ、ケチ‼いいじゃないのー」


「申し訳ございません」


そう言って頭を深く下げた。
どんなことがあっても、教えるつもりはないから。
嘘ついてまでそんなことしたくないし。


「はあ?あんた調子乗ってんの?私達が居なきゃお店なんてやれないのよ?お客様にこんなことしていいわけ?」




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