御曹司なんてお断りっ◆
***

御曹司は無理って
志保は俺に言った後、

「---ごめんなさい。」

と続けた。

「なんでだよ?俺じゃダメなのか?
 そんなに、頼りない男に見えるのか?」


「ちがうの。ーーーあなたは『花京院 昴』でしょう?

 体だけ、心だけ求め合っても・・・・

 私は、『花京院』には何も与えられないわ。」


ーーは?
何言ってるんだ?


「志保は、俺が『家』に縛られているとでも?」

「--でも、花京院財閥の…」


「わかった。じゃぁ、家を捨てるよ。」

そんなに言うなら、別に家に未練はない。
どうせ、俺は三男だし、
実質兄二人が今の財閥を支えている。



「・・・なんで?」

志保は困ったように笑った。
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