初恋は実らない

委員会の帰り

あれは委員会のあった日の事――

うちの学校は、体育祭を6月に行う。
その取り決めで委員会が長引いてしまった。

部活をしている子はまだ残ってたけど、帰宅部の私にとっては普段より遅い時間の下校。

「なぁ、松永。途中まで一緒に帰ろ？」


その頃には『松永さん』ではなく、名字で呼び捨てされるようになっていた。


「なぁ、松永はなんで部活せーへんの？」


なんで、って訊かれても・・・。


運動は嫌いじゃないけど、集団で『一致団結』みたいなのは苦手だった。


「別にやりたい事もないし・・・？」


自分の事だけど、疑問形で答えてしまった。


「そっかー。実は俺もやねん。
やりたい部活あらへんし・・・」


そういえば、淳ぺーも帰宅部だった。
あれだけ運動神経が良くて、ちょこまかと動き回ってるのに、帰宅部だなんて信じ難い。

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