初恋は実らない
淳ペーとの時間が夢みたいに思えた。

でも否応なく現実は自分の身に降りかかっていて。
いつまでもこの場所に立ち止まってはいられなかった。


「着いたらメールしてな?」

「うん・・・」

「元気でやれよ?」

「うん・・・」

「なんやねん、その辛気臭い顔。
『じゃ~ん!私は今からロンドンなのよ!』的な顔、出来へんのん?」

「・・・うん」

「うんうんうんうん言いやがって、このウンコ虫!」

「はぁぁっ!?」

「そや。お前はそうやないとアカン!
元気出せよ?

ほな、おばさんも気をつけて」

そう言って、深々と頭を下げる淳ペー。


「橋本君ありがとうね。
いつでもロンドンに遊びに来てちょうだい。
その時はうちに泊まってくれればいいから!」

「やったぁー!俺バイト頑張らな!!
旅費稼いで遊びに行くな?」

言いながら、ぽんぽんと私の頭を撫でる淳ペー。

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