独占シタイ
合コンに誘われて。


電話対応に追われた午前中。

喋り続けて喉が渇いたあたしは、ペットボトルの水で喉を潤す。


「優羽先輩の唇って、色っぽいですよね~。」


声の主を探すと、ちょうど斜め向かいに後輩の理沙。


「…そお?」

「そおですよ~。だから、明日の合コン、グロスたっぷり塗って参加してくださいね(ニコ)」

「ちょっと待ってよ、あたし参加するなんて、言ってない。」


やる気を見せないあたしに、ダメ押しの一言。

「だって、先輩、彼氏いないって言ってたじゃないですか。ね?」


そおなんだけど!言ったけど。

だって、主任と付き合ってること、秘密なんだもん!!


でも、彼氏いるなんて言って、理沙の追及を逃れる自信がなく。


「…しょうがないな。」


そう返事するしかなかった。
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