花恋-はなこい-
不協和音
はあはあと

息を切らしながら玄関を開ける。


リビングにいるであろう母親に、

「ただいま」

と軽く声を掛けて、

真由はすぐに

自分の部屋へと入った。


帰りのホームルームが

終わるとすぐに

1人走って帰った。


いつも一緒に帰るはずの

圭輔には悪いとは思いながらも、

放課後のんびり待っていたら

また蒼に何されるか分からない。


その恐怖から逃れるように

「さようなら」と同時に

走り出したのだ。


その場にぺたんと座り、

真由は携帯を手にすると

圭輔にメールを打ち始めた。




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