花恋-はなこい-
はなこい
聡史の卒業式から数日後。


真っ青な青空が広がり

春の匂いが充満する

麗らかな日曜。


真由は

はやる気持ちを抑えつつ

ある場所へ向かっていた。


「……もういるかな?」


そんな事を呟きながら、

真由は子ども達が

元気に遊んでいる公園へと入った。


ぞうさん滑り台の近くにある

青いベンチ。


圭輔が子ども達を

優しい瞳で見つめながら

座っていた。


「けいくん」


真由は大きな声で

圭輔に向かって声を掛けた。


子ども達へと向けられていた視線が

真由へと向けられる。


真由は小さく手を振った。






< 277 / 306 >

この作品をシェア

pagetop