†SweetBlood†
喜色を浮かべかけた直前に否定の言葉を聞き、困惑する。


「どういう意味?」
死んでないけど生きてもいない…その言葉の意味を図りかねて恐る恐る尋ねる。

「それを説明するためには、まず俺が何かを説明する必要があるな。」

そう言いながら、紅黎がパチンと指を鳴らすと、正面の壁を覆っていた厚い緞帳がスルスルと人の手も借りずに開いていく。

言葉もなくその光景を見つめていると、ハッとあることに気がつく。
壁と思っていた部分は一面の鏡で一点の曇りもなく磨き上げられていた。

そこに写るのは―--
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