パラサイト ラブ

その夜、結婚情報誌と一緒に買ってきた料理のレシピ本を見ながら夕飯を作っていると、龍ちゃんが帰ってきた。



「おかえりなさい」


「朝乃、これもらってきたよ」



玄関まで出迎えに行った私に、ただいまも言わずに龍ちゃんが差し出したのは一枚の紙。



「これ……」



それがなんなのかは紙にはっきりと書いてあるから疑いようもないのに、実物を見るのは初めてでイマイチ実感が湧かない。



「見ての通り、婚姻届。実家に帰ったときにうちの両親に書いてほしいとこがあるからもらってきた」

「これが…婚姻届」



私は不思議な気持ちでその紙を見つめていた。



これを書いて、提出したら……

私たち、家族になるんだ。


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