パラサイト ラブ

「朝乃…どうした?」


「あのね…ちょっとだけ、息が」



そう言われてはっとした。



――朝乃の手が冷たい。

眉根を寄せ、呼吸が荒くなりつつある。



「朝乃、俺の部屋に」

「……う、ん」



なにが起こっているのか解らない様子のハナを残し、俺は朝乃を気遣いつつ早足でリビングを出た。



階段のところで丁度降りてきた母さんや他の家族と会ったけど、『疲れたからちょっと部屋で休む』とだけ言ってすぐに階段を上がった。



そして二階にある俺の部屋に入り、扉を閉めると同時に……俺は朝乃の唇を、自分の唇で塞いだ。

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